40肩、50肩

40肩、50肩」は、一般的に40代から60代の中高年に多く見られる肩の痛みや運動制限を伴う症状の総称です。正式な医学用語では「肩関節周囲炎（けんかんせつしゅういえん）」や「凍結肩（とうけつかた）」と呼ばれます。

主な症状

• 肩を上げる・後ろに手を回すなどの動作で痛みが強い

• 夜、寝ているときに痛みで目が覚める（夜間痛）

• 洋服を着替える、髪を結ぶ、背中を洗う動作が難しくなる

• 初期は痛みが強く、後期には痛みは減るが肩が硬くなり動きにくい（凍結肩）

肩の関節を包んでいる関節包（かんせつほう）や腱、周囲の組織に炎症が起こり、肩が痛み、動かしづらくなる状態をいいます。

40〜60代に多くみられ、特に思い当たる原因がないのに肩の痛みと可動域の制限が出るのが特徴です。加齢による組織の劣化や負荷、筋力低下などが関与している。

原因となる肩周囲の筋肉は

• 棘上筋（きょくじょうきん）: 肩を外側に上げる動作を助ける筋肉。
• 棘下筋（きょくかきん）: 肩を外旋（外側に回転）させる筋肉。
• 小円筋（しょうえんきん）: 肩を外旋させる筋肉。
• 肩甲下筋（けんこうかきん）: 肩を内旋（内側に回転）させる筋肉。
• 三角筋
• 上腕二頭筋

一般的な50肩について記載していますが、身体全体の歪みとも関係が考えられます。

• 姿勢の悪さ：　悪い姿勢は、肩や首、背中に負荷をかけ、肩関節周囲の筋肉や靭帯に過度の緊張をもたらすことがあります。例えば、猫背や前かがみの姿勢が続くと、肩甲骨の動きが制限され、肩関節に負担がかかりやすくなります。
• 筋肉のアンバランス：片側の筋肉が過度に緊張し、もう片側の筋肉が弱くなると、肩関節に不均衡な力がかかり、50肩の原因となる炎症が起こりやすくなります。
• 肩甲骨の動きの制限：肩甲骨が正しく動かないと、肩関節の動きにも影響が出ます。
• 骨盤の歪み：骨盤のゆがみは、脊柱や肩甲骨の位置に影響を与えることがあり、結果的に肩関節に影響を与えます。

なぜ50肩になるのか？

1. 肩関節の炎症と関節包の硬化

加齢や姿勢の影響で肩の動きが減ったり、血流が悪くなったりすることで、
肩の関節を包む関節包や腱板に炎症が起こります。
炎症が治まった後も関節包が縮み、動きが硬くなることがあります。

2. 姿勢や肩甲骨の動きの低下

猫背や巻き肩、長時間のデスクワークなどで肩甲骨の動きが悪くなると、
肩関節に余計な負担がかかり、炎症や動きの制限が起こりやすくなります。

3. 血流の低下と代謝の変化

中年以降は血流や組織の修復力が低下し、炎症が長引いたり、回復が遅れたりします。

50肩の経過

50肩は通常、自然に改善するまでに1年〜2年ほどかかることもあります。

• 急性期（炎症期）：動かすと強い痛みが出る。夜、痛みが強い。

• 拘縮期（凍結肩）：痛みは減るが動きが制限される。

• 回復期：肩の可動域が徐々に回復し、痛みも次第に消えていきます。完全な回復には時間がかかることがあります。ほとんどの人が日常生活に支障をきたさない程度に回復します。

放置すると可動域の制限が残り、肩が上がりにくい状態が長く続くことがあります。

整体でサポートできること

当院では、痛みが落ち着いた段階（炎症が強い急性期を過ぎた後）で、

• 肩甲骨・肩関節の動きをやさしく改善する

• 首や背中、胸郭（肋骨まわり）の動きを整え、肩への負担を減らす

• 血流を促し、筋肉や関節の回復をサポートする

ことで、肩の動きがスムーズになり、日常生活の動作が楽になっていきます。

まとめ

50肩は「年齢のせい」とあきらめるものではありません。
関節や肩甲骨の動きを適切に改善していくことで、痛みの軽減と可動域の回復が早まり、再発防止にもつながります。

つらい肩の痛みや動かしづらさでお悩みの方は、早めのケアが大切です。

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