寒くなると、人は自然と身体を守ろうとします。気づかないうちに肩をすくめ、背中を丸め、首をすくめたり、歯を食いしばったりする姿勢が増えていきます。これは寒さから内臓や首元を守るための本能的な反応ですが、この状態が長時間続いてしまうことが問題です。
無意識に力が入り続けると、首や肩、背中の筋肉は常に緊張した状態になります。筋肉が緊張すると、背骨や骨盤の動きが小さくなり、身体全体のしなやかさが失われていきます。さらに、筋肉が硬くなることで血管が圧迫され、血流も悪くなっていきます。
血流が悪くなると、筋肉に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らなくなり、疲労物質も溜まりやすくなります。その結果、首や肩のこりがなかなか取れなかったり、頭が重くぼーっとした感じが続いたり、身体が常に緊張しているような感覚につながっていきます。
寒さによって筋肉や関節の温度が下がると、身体の動きそのものに変化が起こります。筋肉は本来、温かい状態で最も柔軟に伸び縮みしますが、冷えることでその働きが低下してしまいます。
筋肉が冷えると伸び縮みがしにくくなり、関節をスムーズに動かすための働きも弱くなります。そのため、動き始めに引っかかるような感覚が出やすくなります。朝起きたときに身体が固まったように感じたり、立ち上がる瞬間に腰に痛みを感じたり、首を動かしたときに違和感が出たりするのは、この影響によるものです。
特に腰や首、股関節、膝といった部位は日常生活で使う頻度が高く、冷えの影響を受けやすい場所です。「いつもと同じ動作をしただけなのに痛めてしまった」「特別なことはしていないのに違和感が出た」という場合でも、実際には冷えによって関節や筋肉の余裕がなくなっていた、というケースは少なくありません。
12月は一年の中でも特に忙しい時期です。仕事の追い込みや忘年会などの外出、大掃除や長時間の家事、移動時間の増加などが重なり、知らないうちに身体への負担が蓄積していきます。
本来、疲労は睡眠や休息によって回復しますが、年末は忙しさによって睡眠の質が下がりやすく、寒さによって身体がリラックスしにくい状態にもなります。さらに緊張した時間が長く続くことで、疲れが十分に抜けきらなくなってしまいます。
その結果、普段は気にならない身体の歪みやクセが表に出たり、もともと弱っている部分に痛みが集中したりしやすくなります。こうした状態が続くことで、不調が一時的なものではなく、慢性的なものとして定着してしまうこともあります。
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